前略、さようなら。

一文字一文字を記していくことですべてを過去にしていきたい。

思い出に残っている大切な恩師 ③

 

 

高校三年生だった頃の担任・千葉ちゃん(仮名)

中年の男性で、ダサくて、存在感も薄いタイプの人でした。

もちろん、千葉ちゃんの数学の授業は死ぬほどつまらない(苦笑)

 

 

 

きっかけは、授業中の先生の一言だったと記憶してるけど

なんか、面白くて全員で笑ったのがきっかけになって

私たちは「冴えない先生を盛り上げよう!」と一致団結しました。

 

 

一年に一度「マラソン大会」や「球技大会」なんかがあって

体操服にゼッケンをつけるんですが

 

千葉ラブ♡

チーム千葉

 

などなど

球技によって変えて勝手に担任推しをしたんです。

 

 

千葉ちゃんは他の先生から「ずいぶん人気者なんですね」とからかわれて

恥ずかしそうにしてた。

 

 

千葉ちゃんの誕生日が近づいてきて

私たちは「誕生会」を企み

 

・決行日は六時間目の数学

 

・プレゼントはネクタイ

 

・飾りつけ、司会、買い出し、目張りなど係を決めた

 

 

作りかけの飾りつけはバレないようにしっかり隠した。

 

 

 

当日。

五時間目の授業が終わると同時に

カーテンを閉めて、廊下側の窓にも目張りをする。

飾りつけとテーブル配置の準備に別れ

先生を囲むようにテーブルを配置。

黒板にも飾りつけ。

10分で無事完成。

 

このクラスは一体感がハンパなかった!

 

真っ暗な教室を職員室から見ていた先生たちが「あれはなんでしょう?」と

怪しがられていたそうなので

やっぱり目張りして正解だった。

 

 

 

千葉ちゃんがドアを開けた

 

 

パン・パン・パーン!!!

 

クラッカーを鳴らしたら千葉ちゃんビックリして

 

 

 

 

「な、なんですか?これは?」

 

 

 

 

期待を裏切らない千葉ちゃんである(笑)

笑っている私たちに

 

 

 

 

「これでは授業ができないではないですか」

 

 

 

 

 

そこで、司会が「せーの」

 

千葉ちゃんお誕生日おめでとうございます!

 

と、クラス全員で言うと

司会がすかさず「えーっと、そういう訳なので授業は諦めてください」

 

千葉ちゃんは半笑い状態で受け入れてくれたようだ

教科書を置いてお誕生日席に座った。

 

まず、代表者からプレゼントの贈呈。

そして、一人一分間のスピーチをした。

 

「千葉ちゃんの生徒になれて良かったです」

「千葉ちゃんにしてもらった事は忘れません」

「千葉ちゃんと結婚したいです」←私www

 

たくさんの笑いと

たくさんの拍手と

たくさんの感謝で埋まった教室

 

そのままチャイムがなってホームルームの時間

 

 

このホームルームは千葉ちゃんの為に使われた。

 

 

・生徒にこういう事をしてもらったのは初めて

・どうして僕のような教師を慕ってくれるのか分からない

・長い教員生活だけど、このクラスの事は忘れないだろう

 

そんなスピーチだった。

 

 

私たちは達成感でいっぱいであり

一体感が気持ちよくて

千葉ちゃんの事が大好きだった

 

誕生会の準備は大変だったけど

誰一人文句を言う人はいなかった。

みんな笑ってた。

ネクタイ代を一人100円徴収したのだけれど

300円入れる人もいたので飾りつけ代を引いても余ったwww

 

 

千葉ちゃんの喜ぶ顔が見たいから

私たちはそれだけの気持ちでやってた。

 

 

その頃の私は真面目に学校に通い

金髪だった髪の毛も黒に染めた

カスタムし過ぎた制服も規則通りになった

 

 

千葉ちゃんは言った

「化ければ化けられるものなんですねー」

 

 

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千葉ちゃん、本当にありがとう。

私たちだってあの時のクラスメイトの事は忘れないし

千葉ちゃんの事は一生忘れないよ。

 

千葉ちゃんのお蔭で、みんなのお蔭で

高校生活が楽しい思い出になったんだ。

本当に楽しい一年間だった。

 

ありがとう