病院学級にいたクラスメイトの話 ②
前回の続きです。
ヒマワリちゃんは死んだ・・・。
中学一年と二年の間だったそうです。
享年13歳でしょうか。
なんの病気だったのかは
結局だれも知りませんでした。
学校に登校したのは
あの二日間だけだったそうです。
お姫様みたいに可愛い女の子がなんで・・・。
そういう思いを持っていたのも数年。
私は、ヒマワリちゃんの事もすっかり忘れて
どんどん大人になっていきました。
前職で販売の仕事をしていた時に
私の小学生時代の同級生を名乗る女性が目の前にやってきました。
名前はキョーコ(仮名)と言うらしい。
でも、残念なことに全く彼女を思い出せないさとうさん。
「思い出せなくてごめんね」って謝ったけど
話を聞いてると随分と親しかったらしい。
それを他の同級生の子に話したら
「キョーコ、さとうさんに忘れられてずいぶん落ち込んでたよ~」と聞き
申し訳なくて小学校の卒業アルバムを開いた。
写真を見たらキョーコは大人キョーコと同じ顔で笑ってて
走馬燈のように小学生時代を思い出したんです。
誕生日会、ひな祭り、修学旅行、ちょっぴりHな本、こっくりさん
いつも一緒だったキョーコ。
忘れててごめーん!!
と、同時に卒業アルバムの集合写真の上方にある写真に目がいきました。
「あ、ヒマワリちゃん」
卒業アルバムには将来の夢がクラス別にまとめてあって
ヒマワリちゃんは書いたのかなぁ?と思い開いてみると
「さとうさんとおなじ仕事でいっしょにはたらきたいです ヒマワリ」
と書いてあった。
私はそれを読んで固まってしまいました。
ヒマワリちゃんにそんな風に思ってもらっていたなんて
たった二日間しか会っていないのに
なんでそう思ったんだろう。
私はなにもしてないのに。
お見舞いにだって行ってない。
卒業まで二年くらい会ってない。
私は、ヒマワリちゃんの事をなにも知らないのに。
家も、連絡先も。
そして。
もう、何も聞けない・・・。
ヒマワリちゃんへ
私と一緒に働きたいって思ってくれてありがとう。
すごく驚いたけど、すごく嬉しかった。
私は、お姫様みたいなヒマワリちゃんが
まーるいお月様みたいに微笑むヒマワリちゃんの笑顔が好きでした。
ヒマワリちゃんのことは今でも時々思い出します。
あの、学校の
あの、教室の
あの、机の場所で
私たちはたくさん笑った。
たった二日間だったけど
その二日間をこれからも思い出すね。
ありがとう、ヒマワリちゃん。
また会おうね。