前略、さようなら。

一文字一文字を記していくことですべてを過去にしていきたい。

私が経験した謎の数年間の話をするね ②

 

 

 

前回の記事です。

続きます。

 

sugarnail.hatenablog.com

 

 コミュ障って、こういう人の事を言うのかな?と思った人。

 

一緒に働いていたB君。

はじめて会った時の印象は

「あれ?嫌われ者?」「普通にカッコいいのに」です。

例えるなら高橋一生が日焼けした感じの35才。

 

女性が4人、男性が2人がシフトで回っていて

その他の職員さんはランダムに来る。

仕事は避難所の運営です。

 

避難所格差って結構あって、私がまわった避難所はどこもルールが違っていたし

住環境も労働環境も違っていました。

 

この時の避難所は比較的【楽】で肉体労働少なめだったし

お昼時間も1時間きっちりとることが出来た。

しかし、よそから回ってきた私は女子メンバーに全然馴染めず・・・。

 

B君と組んで配食の準備やミネラルウォーターの補充をする事が多かったんです。

分からない事を聞けば教えてくれるので助かってはいたんですが。

 

B君、1日中マスク外さない。

B君、順番で食べるお昼も私だけ先に「どうぞ」と言われる。

B君、私と二人っきりにならないと話しかけても返事がない。

B君、二人っきりになるとマシンガンのように質問してくる。

 

「さとうさんは、どこに住んでるんですか?」

「さとうさんは、前の仕事なんですか?」

「今日のお弁当美味しそうですね」

「車で来てるんですか?」

「何かあったら何でも聞いてくださいね!」

などなど。

 

でも、私が同じ質問してもニヤニヤしてるだけで返事はなくて

次の質問が飛んできます。

仕事が終わると、物凄いダッシュで帰って行くB君。

マスクを取った顔は知らない。

 

 

 

 

なんか、こいつ

 

やべーな

 

 会話がまったく噛み合っていないうえに

マスクの上から見えている目線が怖い。

 

 

受付には私たちのシフトが貼られているので

誰が何時に来るのか把握できるようになっています。

 

なのに、B君は「明日は休みですか?」を毎日聞いてきます。

「日勤だよ」と言うと謎のガッツポーズを無言でする。

 

 

私が少しづつ女子チームに馴染んできた頃

避難所の閉鎖も進んできたので退職希望者は辞めて良い事になっていました。

社会保険対象だった私は残る事に決めていましたが

保険対象でない人は次々と新しい仕事を見つけていました。

 

B君も引っ越し業者に就職先が決まったと女子チームから聞いた。

 

 

「さとうさんは、どうするんですか?」とB君に聞かれたのは

やはり二人っきりで配食の準備をしていた時。

 

「私は、残りますよ」というと

 

B君は就職先を蹴って残る事を選んだそうです。Σ(・□・;)

 

 

全員が「B君はさとうさんの事が好き」と思っていた。

 

近隣の避難所が閉鎖になったので掃除の手伝いに行った。

そして、次はこちらの番。

大掃除と片付けに追われた数日間。

 

そして、最終日。

 

「お疲れ様でした」と全員で晴れ晴れとした表情で避難所を見つめていると

ダッシュで帰宅するB君の姿が見えた。

 

 

B君、お元気ですか?

私の事、好きだったのかな?

 

今はまたおばあちゃんと住んでいるのかな?

人生の長い間のほんの1か月だったけれど

B君の家庭の複雑さは理解できたよ。

どうか幸せに暮らせていますように。